本教室について

糖尿病センター

動脈硬化性疾患の背景には糖尿病、脂質異常、高血圧、肥満(内臓脂肪)など危険因子がからんでいます。特に糖尿病の患者さんでは心血管疾患の発症の危険性は糖尿病でない人の3~4倍に高くなります。当センターは糖尿病およびその合併症の治療・生活習慣の改善指導・研究を行う目的として設置されました。そのため糖尿病教育入院にも積極的に取り組んでいます。

糖尿病は、単純に血糖値やHbA1c値をターゲットにした血糖管理をするだけでなく、低血糖を回避しながら、食後高血糖の改善を目指し血糖プロファイルを改善する治療が必要です。当科では3日~最長14日連続して血糖値が測定できる最新鋭の連続血糖測定システムを導入しており、個々の患者さんに対応した最善の治療を提供しています。また同時に、内分泌疾患含めた二次性糖尿病の検索も行います。

インスリン治療については通常の注射療法に加えて、自律神経の日内リズムを分析して、健康な方のインスリン分泌動態を再現するためにプログラムされたインスリンポンプ療法も行っています。さらに脂質異常症、肥満症など糖尿病と合併する代謝疾患についても医師・看護師が管理・指導しています。また、地域の医療機関との連携に加え、生活習慣病の予防活動にも力を入れています。

2週間の糖尿病教育入院と、5日間の入院で糖尿病細小血管障害(網膜症、腎症、神経障害)、大血管障害を評価する糖尿病合併症ドック入院、さらには妊娠糖尿病・糖尿病合併妊娠入院も行っており、医師、看護師、薬剤師、栄養士、運動療法指導士で構成された多職種で独自の管理体制で診療を行います。また、積極的に病診連携を推進しており、普段の糖尿病加療は地域の診療所で行っていただき、コントロール悪化時や合併症出現時などに当院でサポートさせていただく態勢をとっています。

糖尿病教育入院対応

初めて糖尿病と診断された方、これまで糖尿病の治療を行っておられなかった方、すでに治療中でも血糖コントロールが十分ではない方、合併症が進行し治療の見直しが必要な方が対象です。糖尿病療養指導士の資格を持つ看護師と病棟薬剤師を配置し、管理栄養士、理学療法士、ソーシャルワーカーが協力し多職種チームで、糖尿病全般にわたる総合的な教育と治療にあたっています。糖尿病教室への参加による知識の習得、合併症の評価、食事や運動のアドバイス、薬物治療の検討・見直し、インスリン・GLP-1作動薬などの注射製剤の手技指導、フットケアを総合的に行います。

術前血糖コントロール対応

糖尿病患者さんは免疫力の低下から気道・尿路感染や手術部位感染のリスクが高まります。
さらに、糖尿病患者さんの悪性腫瘍の合併は多く、悪性腫瘍の合併により血糖コントロールがさらに悪化します。血糖の適切なコントロールがなされていない場合は延期を考慮する場合もあります。しかしながら、悪性腫瘍の手術の場合には速やかに血糖コントロールを行い、原疾患の治療時期を逃さず、適切な時期に手術を行う必要があります。われわれ糖尿病専門医がきちんと血糖管理して外科手術の成績の向上に努めます。

ステロイド糖尿病対応

様々な疾患の治療にステロイド薬が使用されます。ステロイドはインスリン抵抗性と肝臓からの糖放出の亢進により血糖値を上昇させます。ステロイドの投与は内服のみならず、外用薬、吸入薬、注射薬といった多種多様な形で存在します。各診療科の先生が専門診療に専念してステロイドの増減ができるよう、入院中のインスリンでの血糖コントロールはもちろんのこと、退院後も診察終了後に当科を受診して頂くよう配慮しています。

糖尿病急性代謝失調対応

著明な高血糖、尿ケトン体陽性、意識レベルの低下がある場合、糖尿病ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖状態が疑われ、迅速に加療を開始する必要があります。さらに、近年SGLT2阻害薬による治療の際には著しい高血糖を伴わずにアシドーシスを来す正常血糖ケトーシス・ケトアシドーシスを発症することがあります。このような状態が疑われる場合は速やかに来院していただき、インスリン・補液による初期治療を開始し、全身管理を行います。

糖尿病患者の感染症対応

糖尿病患者の肺炎・尿路感染症・皮膚感染症をはじめとする感染症を罹患するリスクが高く、感染症の合併は血糖コントロールを悪化させるため、適格な診断、適切な抗菌薬加療を行います。感染症罹患時は食事摂取が不安定となることも多いため、病状に応じた血糖コントロールを行います。また、ドレナージなど外科的処置が必要な場合は整形外科・皮膚科など他科とも連携して診療を行います。

糖尿病低血糖対応

低血糖は糖尿病治療において頻度が高く、緊急性の高い状況です。高齢者や自律神経障害を伴う患者では無自覚性低血糖を引き起こすこともあり、重症低血糖は認知症、心血管疾患、死亡のリスク因子となるため、その予防が重要となります。低血糖が原因で救急搬送となった場合SU薬や持効型インスリン使用、腎障害・肝障害合併例では、低血糖が遷延することが多く、入院加療としブドウ糖点滴、血糖の頻回測定を行います。低血糖から回復後は低血糖を予防する治療の調整を行います。

免疫関連副作用(irAE)対応

免疫チェックポイント阻害薬は近年多くの悪性腫瘍の治療に用いられています。免疫チェックポイント阻害剤では、頻度は高くありませんが自己免疫関連副作用として(時に劇症化する)糖尿病や内分泌疾患(甲状腺機能異常や副腎不全)が発症することがあります。irAE対応のチームの一員として、副作用出現の徴候が見られた場合は速やかに対処し、原疾患の適切な治療が継続できるよう、診療を行っています。

妊娠糖尿病・糖尿病合併妊娠対応

妊娠すると血糖値が上昇しやすくなります。妊娠中の母体の高血糖は母体だけでなく胎児の合併症をもたらします。2012年来、産科学講座と共同で500例近い妊娠糖尿病患者さんを入院加療を行い、産後も耐糖能のフォローを継続してきました。また、挙児希望の糖尿病患者さんの血糖コントロール・体重管理、糖尿病合併妊娠患者さんの妊娠中の管理に関しても産科と協力して診療を行っております。新型コロナウイルス感染症の拡大により妊娠糖尿病患者さんに関しては外来診療を中心に、糖尿病合併妊娠患者さんでは必要な場合には短期間の入院での血糖コントロールを行い、質を落とさない診療を継続します。

外来担当表

  初診外来 再診外来 専門外来
午前 曽根正勝 部長 曽根正勝 部長  
中川朋子  
中村祐太 [透析予防外来]
  9:00~11:00
午後   菱田吉明  
久保ゆい
午前 交替制 横田健一  
月山秀一
午後      
午前 曽根正勝 部長 曽根正勝 部長  
中村祐太  
川名部新 [透析予防外来]
  9:00~11:00
午後   常見真吾  
午前 交替制 横田健一  
月山秀一  
西根亜実  
午後   加藤浩之 [フットケア外来]
  14:00~
   
   
午前 交替制 中川朋子  
石井 聡
午後   川名部新  
村上万里子
午前 交替制 菱田吉明(1,3,5)  
久保ゆい(2,4,5)
常見真吾(2,4,5)
 
午後